どこまでいっても資本主義
少し技術が発展したくらいでは何も変わらないのでは、という無力感に襲われている。
いや、少しずつは良くなっていくのだろうけど、それは数十年といった単位でのことに思える
ミシェル・ウエルベックの『素粒子』からの引用
単行本 p68
ブリュノがミシェルと知り合って、今では、二十五年たった。この恐ろしいほどの長い時間のあいだ、ブリュノには自分が少しでも変わったとは思えなかった。個人のアイデンティティには核となる部分があり、性格の主要な特徴は不変であるとする説は、彼にとっては自明のものと思えた
自分にも、そのように思える瞬間がある。しかし、断言してしまうと寂しいので、そうかもしれないよなーという程度(あるいは、多分そうなんだろうなーという程度)に止めておくことにする。
■
ぐったりしている。
ウルトラハッピーになりたい
チャイコフスキー 四季 10月 Autumn Song
ファイル:Tchaikovsky the Seasons October.ogg - Wikipedia
これが無料で聞けて、ダウンロードできる。
インターネットってやっぱり凄いのか?
【読書】 帰ってきたヒトラー - ティムール・ヴィルメシュ / 河出文庫
- 作者: ティムールヴェルメシュ,森内薫
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
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タイトルの通り、現代にヒトラーが蘇り、周囲の勘違いによってコメディアンとして有名になる話。卓越した使命感をもった彼が、現代ドイツを激烈に批判する様子は痛快。ばかげたテレビ番組、多機能過ぎてわけが分からなくなった携帯電話(スマートフォン)への批判など、納得させられる部分も多い。
作中でヒトラーは冷酷な独裁者としてではなく、親しみやすい人物としてユーモラスに描かれる点もまた、ヒトラーが拒絶されている現代ドイツへの挑戦となっているらしい。
表紙が秀逸に思われる。また、下巻巻末の解説が的確で秀逸だった。
実際に『我が闘争』の語り口を見ると、逆に『帰ってきたヒトラー』のモノローグ展開の凄さ、リアルさがよくわかる。両者はよく似ている、しかし単に形式的に似せているのではない。周囲の森羅万象を、オレ的な文脈で徹底的に再解釈しつくす。そして言語的に定義する。すると周囲に一種の擬似世界が生じる、というヒトラーの「根本原理」が、昨秋で見事に機能しているのだ。
(中略)
オレには世界がそのようなシステムとして見えるから仕方ないでしょ、という首尾一貫した観点のことで、だからこそ強靭なのだ。