夜が静寂を取り戻す頃

日記 << 考えや感情. 外に発散する場として. たまに備忘録

【読書】プラットフォーム - ミシェル・ウエルベック

あらすじ : ミシェル(作中)「セックス!セックスはいらんかね~」

なんと作中にミシェルがでてくる。彼は旅行ツアーで知り合った、女性ヴァレリーと恋におち愛を知る。行き詰まり、自殺していると彼がみなす西洋において彼女は、贈与に喜びを感じることができる稀有な人間であった。
ミシェルは旅行会社に勤める彼女とともに、西洋人と第三世界の人々の需要と供給をマッチさせるセックス観光を企画する。

セックス・セックス・セックス!

【読書】服従 - ミシェル・ウエルベック

服従

服従

あらすじ: 2022年にイスラム政権が発足し急激に変化していくフランスにおいて、ユイスマンスの研究家である大学教授の主人公は流れに身を任せていく。

発売日に起こった シャルリー・エブド襲撃事件 とシンクロしたことで注目を集めた。 一見とっぴに見えるが、自殺しかけのEU社会をイスラムが覆うというの話は、読み進めていくうちに説得力がましてきてひやりとした。『プラットフォーム』ではメタメタにイスラムを批判してたのでややびっくり。

フランスの政治や、文学についての知識が皆無なためそのあたりは完全に理解できず残念。

REALKYOTO の書評がよい。


追記 :

シャルリー・エブド事件があった1月7日は、たまたま『服従』の出版日で、ウエルベックは当初テロの標的とすら噂された。ウエルベックは、犠牲者のひとりで友人の経済ジャーナリスト、ベルナール・マリスの死に「私はシャルリーだ」と涙を見せた後はしばらくマスコミから姿を消し、1月末に再び現れて「我々には火に油を注ぐ権利がある」と発言した。
イスラモフォビアと フランス流「自由原理主義」の疲弊

【読書】ある島の可能性 - ミシェル・ウエルベック

ある島の可能性

ある島の可能性

結局のところ、人は一人で生まれ、一人で生き、一人で死ぬ

あらすじ:

ようこそ、永遠の命へ。
物語は世界の終わりから始まる。喜びも、恐れも、快楽も失った人類は、ネオ・ヒューマンと呼ばれる永遠に生まれ変われる肉体を得た。過去への手がかりは祖先たちが残した人生記。
ここに一人の男のそれがある。精巧を手にしながら、老いに震え、女たちのなかに仔犬のように身をすくめ、愛を求め続けたダニエル。その心の軌跡を、彼の末裔たちは辿り、夢見る。
新たな未来の到来を。
命が解き放たれる日を。

感想:

結局のところ、人は一人で生まれ、一人で生き、一人で死ぬ。あまりに救いがないが、静かな考察から隙なく流麗に語られる言葉に反論はできそうにない。

内容としては、愛と性と生についての、筆者ウエルベック私小説、あるいはSF。愛については経験がないのであまり共感はできないはずなのに、心をえぐられた。

終章のシーン。ひたすら悲しい。

もう一度読み直すべき本だと思う。筆者の他の本も読む。 /

長く続いているブログを見ると安心する

気まぐれにキーワードを打ち込んで検索エンジンがサジェストしたブログ記事をクリックする。古い記事だ。記事を読む。ふと気になってブログトップに移動し、今も更新が続いていることを確認する。この瞬間の言いようのない安心感と、自分と決して交わらずこのブログは続いていくのだという、少しの寂しさ。