ミシェル・ウエルベックの『素粒子』からの引用
単行本 p68
ブリュノがミシェルと知り合って、今では、二十五年たった。この恐ろしいほどの長い時間のあいだ、ブリュノには自分が少しでも変わったとは思えなかった。個人のアイデンティティには核となる部分があり、性格の主要な特徴は不変であるとする説は、彼にとっては自明のものと思えた
自分にも、そのように思える瞬間がある。しかし、断言してしまうと寂しいので、そうかもしれないよなーという程度(あるいは、多分そうなんだろうなーという程度)に止めておくことにする。