夜が静寂を取り戻す頃

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【読書】ある島の可能性 - ミシェル・ウエルベック

ある島の可能性

ある島の可能性

結局のところ、人は一人で生まれ、一人で生き、一人で死ぬ

あらすじ:

ようこそ、永遠の命へ。
物語は世界の終わりから始まる。喜びも、恐れも、快楽も失った人類は、ネオ・ヒューマンと呼ばれる永遠に生まれ変われる肉体を得た。過去への手がかりは祖先たちが残した人生記。
ここに一人の男のそれがある。精巧を手にしながら、老いに震え、女たちのなかに仔犬のように身をすくめ、愛を求め続けたダニエル。その心の軌跡を、彼の末裔たちは辿り、夢見る。
新たな未来の到来を。
命が解き放たれる日を。

感想:

結局のところ、人は一人で生まれ、一人で生き、一人で死ぬ。あまりに救いがないが、静かな考察から隙なく流麗に語られる言葉に反論はできそうにない。

内容としては、愛と性と生についての、筆者ウエルベック私小説、あるいはSF。愛については経験がないのであまり共感はできないはずなのに、心をえぐられた。

終章のシーン。ひたすら悲しい。

もう一度読み直すべき本だと思う。筆者の他の本も読む。 /